++ #11 Spring Filing ++




カイが学校から毎月もらってくるニューズレターの4月号には、Spring Flingのイベントについて書かれてあった。
内容からして、金曜日の夕方、ゲームやポットラックをしましょうーーというようなものらしいのだが、Spring Flingって何だ?

私がいつも活用しているオンライン辞書の英辞朗で見てみると、1)軽い試み、したい放題すること 2)放り投げる などがあった。
つまり『春を楽しみましょうーー』というイベントらしい。 ふーむ、学校も色々イベントを考えるもんだー。

ニューズレターの中には1)エッグハンティング用の卵を12個用意して持ってくること、2)ポットラックのサインアップシートに記入すること、ということも書いてある。

スプリングフリングのゲームの一つとして、エッグハンティングをするのかーー。

アメリカで『春』というと、やっぱり最初に思い出すのはイースター。
このイースター、日本では今一なじみがなく、一体、何?という感じだが。
宗教的には『キリストの復活を祝う日』で、キリスト教の人たちにとってはクリスマスの次に大事なイベント。
テーマカラーは、パステルカラー。 そしてシンボルは卵。
この時期になると、街はパステルカラーのデコレーションで溢れ、毎年それをみるだけで春らしい気分になってウキウキする。
子供たちがする遊びはエッグハントと言って、パステルカラーのプラスチックの卵の中にキャンディーや、小さなおもちゃを入れたものを庭に隠して、それを探す遊びをするのである。

それからイベントはポットラック形式でやるらしい。
ポットラックとは食べ物を持ち寄ることで、アメリカではポピュラーなパーティーの方法。
カイの学校でもイベントの度にポットラックが行われるのだけれど、これが仕事を持つ私にとっては大変ーー。
料理しないといけないとなると仕事を休まないといけないし、他のみんなが食べるとなると出来にも気を使うしーーで、毎回サインアップシートが張り出されると真っ先に簡単なものにサインする私。
以前あったインターナショナルナイトというイベントでは、『子供のルーツに関連するような食べ物を持ってきてください』と但し書きがしてあったっけ。
その時はうちはやっぱり日本食=寿司でしょうーーということで、会社を早退して、せっせと巻き寿司を作っていった私。 やっぱ大変だったーー。

さて、次の日学校へ行って見ると、さっそくドアの所へサインアップシートが張り出されていた。
今回書かれていたのは以下のようなもの:
・フルーツ、野菜スティック、サンドイッチなどの軽食
・マカロニチーズ、キャセロールなどのメイン系
・カップケーキ、クッキーなどのデザート
・ジュース、ソフトドリンクなどの飲み物

私はフルーツと飲み物にサイン。 ほんとは一つにサインすればいいのだけれど、労力をかけない分、少し多めにお金をかけてフォローしようかな、と。
フルーツはメロン(オレンジとグリーのもの)、パイナップル、ぶどう、いちごなどが一口サイズに切ってあってお皿に盛られているものをフルーツプラッターというのだけど、これはアメリカのパーティーの定番で、スーパーで手に入る。
飲み物は子供用に100%の紙パックのジュース、大人用にはコークやレモネードなどのソフトドリンク、小さなお水のペットボトルを事前に買っておいて、当日は氷(これもコンビニで売っている)と一緒にクーラーボックスに入れて持っていくだけ。 簡単、簡単ーー。

さて、当日30分くらい早めに到着したのでカイのクラスを覗いて見ると、みんなで列に並んで今日発表するらしい歌の練習をしていた。
学校は年齢別に1歳半〜3歳程度までがブルールーム、3歳〜4歳がピンクルーム、4歳〜6歳がイエロールームと3クラス。
歌はピンクルームとイエロールームの大きい子達が歌うらしい。 カイは2歳4ヶ月でピンクルームなので、発表する子供たちの中でも最年少。  だからなのか、最前列の一番端っこに並んでいた。 がんばれーー!カイと思わず心の中で言ってしまう私。

I dig, I dig, I dig in the dirt....(掘って、掘って、土を掘って〜) と振り付きで歌っているが、どうやら「土を掘って、種を埋めて、太陽さんと雨さんと僕たちの愛情を加えると、芽がでてきますよ〜」みたいな歌らしい。
先生を見ながらも、カイがちゃんと他の子について歌っているのでちょっと感動ーー。  
そういえば最近家でもそんな風な歌を歌っていたカイ。 その時は I eat, I eat, I eat... (食べて〜、食べて〜) と聞こえて、食べることが好きなカイが自分で作詞作曲して歌っているのかと思ったのだけれどー。


そんなカイのクラスでの様子を少し眺めて、何か手伝うことはないかしらーーと、校庭へ行って見ると、子供用の小さなピクニックテーブルにはギンガムチェックのテーブルクロスがかけられて並べられてるし、各ゲームコーナーの準備も万端のようで、校庭はとっても春らしいパーティー会場に変身していた。
先生達もみんな正装をしていて、カイの担任の先生ミズ・ニーラはインド人なのでサリーを身にまとっている。




裏庭の様子 - 手前が小さな子ども達用のプレイグランド。しきりがあって奥に大きな子供用がある。



さて、スプリングフリングのはじまり〜。

最初に歌を歌う子の中で一番しっかりしているのであろう女の子が、前にでてご挨拶。
他の子は首からお花のネックレスをかけてその後ろで並んでいるのだけれど、カイだけお花がついてないぞ〜。 先生の付け忘れか?

子供たちの前に親達が群がって大変なことになりつつも、短い歌は終了。 カイもとりあえず一緒にやってました。




出番を待つ子供たち



それからエッグハンティング、ゲームと始まったのだけど、お腹がすいたカイがぐずり出したので、うちはすぐ隣のお食事コーナーへ。

それにしても毎度のことながら、アメリカの食事って食べるものが全然なし!
テーブルの上に所狭しと並んでいたのは、出前のチーズピザたーくさん、フルーツいっぱい、生の野菜いっぱい(ベジプラッターという)、クッキーとカップケーキいっぱい、そんな感じ。 あ、マカロニチーズが一皿、ビーンズとコーンの和え物が一皿あったっけ。
カイは『お米命!』で、普段から茹で野菜なんかも必ずフレッシュなものを(缶や冷凍を使う人がいっぱいいるんですよ、これが)、味付けはせずそのままで食べさすことが多いので、ほんと食べるものなし。 
フルーツをただひたすら食べてました。    ジョナサンと次のポットラックイベントではうちは温野菜系を持参しよう!と決めた私。

小さな校庭に子供たちとその家族で溢れて、ものすごい光景と言えばそうなのだけれども、こういうイベントでよいことは、他の親や先生たちと会話ができること。
普段は朝のドロップオフと夕方のピックアップで、先生達とはほんのちょっとしか話せないし、親同士なんて話すチャンスはゼロ。
こういうイベントがあれば、先生と立ち話をして私たちのことをよりよく知ってもらえたり、他のお母さん達と子供と言う共通の話題で盛り上がったりーー。

ところで私達が食事をしている最中、ディレクターのミズ・シバーニがやってきて、「日本から色々持って帰ってくれてありがとう」と声をかけられた。
ディレクターとは校長先生みたいなもので、この前日本里帰りの際に和風のデコレーションを学校にあげたのでそのお礼なのだけど、私はちょっとびっくりしてそしてとっても嬉しくなった。
びっくりしたのは、ディレクターは朝はあまりみないし、ほとんど話をしたことがないから。 実際の学校の運営はミズ・ボーナというアシスタントディレクターがやっていて、私も彼女と話をすることがほとんどなのだ。
もちろんギフトをあげた次の日には、アメリカらしく、ミズ・シバーニのサインが入った手書きのサンキューカードをもらったのだけど、それはミズ・ボーナか担任の先生が書いたものだろう、とタカをくくっていた私。
それなのに、あれだけの大きなイベントでたくさんの人がいる中で、そのことを覚えていてディレクターが直接声をかけてくれたことと、それからカイの日頃の様子も話してくれてとっても嬉しくなった。
今まで経営者くらいにしか見ていなかったディレクターなのだけど、「ああ、この人は生徒1人1人にきちんと目をかけてくれるんだな」と実感できた出来事であった。


4/15/05




担任のミズ・ニーラ



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