N's Little Happiness







++家を買おう(4)++



人間、動物に関わらず”MALE”というものは、テリトリーに対してのっぴきならぬ強い想いを抱いているのだろうか。

今回の家購入にしても、うちのジョナサンはものすごーくはりきっている。
彼はあまり、物欲や支配欲というものがないのだけれど、家に関しては興奮して興奮して、ほっておくとどこまでも突っ走ってしまいそうな勢い。
もう家のことを話はじめると、早口になり、あげくの果てには涙ぐんでしまうんだけど、これほどまでに男の人にとって『自分の城』というのは重要なのか。
お陰でこのせっかち者の私が、「ダーリン、もう少しよく考えないとー」とか「ハニー、まだ時期が早いでしょー」と諭さないといけないのだから困ったものである。

でもそんな彼の家に対する情熱が吉とでることもある。

銀行がエージェントをアサインしてくれるまで、とてもじゃないけど待てなかったジョナサンは自力でハウスハンティングを強行していた。 しかも私に内緒で。(怒られたくなかったんだって。怒ったりしないのに。まったくー。)
そしてある日、気に入った家を見つけてきた。
普通自分達のエージェントが売主(エージェント)に連絡をとって、家の中をみせてもらうようにするんだけど、私たちにはまだエージェントがいないので、 家の前の『Sale』の看板に書いてある売り手のエージェントと連絡をとって見せてもらうようにアポイントをとった。

そしてアポイントの当日。
家の前で売り手エージェントのスティーブとの待ち合わせのため9時20分に現地へ行くと、スティーブはもうすでに来ていた。 
このスティーブを見て笑ってしまった。 だって、大きなピックアップトラックにのって、カウボーイブーツを履いてるんだもーん。(普通エージェントというものはネクタイをしめて、レクサスなんかの高級車にのっているものなのだ。)
しかもこのスティーブ、すっごいブラックユーモアの持ち主でおもしろい。
家を見ている間、私もジョナサンも笑いっぱなしだった。

肝心の家は4ベッドルーム、2バス、庭が200坪くらいはある大きな家。 
何より私の目がハートになったのは台所。 レンガ仕様の壁でなんだかイタリアンレストランの厨房のようなのだ。
ここで、毎日お料理ができるなんてステキ〜(毎日料理するのはジョナサンなんだけど)、天井からフライパンとか吊るしたりして〜と盛り上がる私。

でもね、気に入らなかったところもある。
なーぜーかー、2台あるガラージのスペースの0.5台分がつぶされて部屋になってて、そこにシャンプー台とかが置いてあったりするのだ。
そう、お察しの通り、前のオーナーはここで美容院をやってたみたい。

ビューティーサロンごっこは楽しいけど、そのスペースはもったいないよー。
しかも他に使い道も考えつかないし。
ジョナサンの書斎?とも思ったけど、彼も駐車場スペースを改造した書斎はいやみたい。

せっかく見せてくれたスティーブには悪いけど、あのガラージのビューティーサロン部分が気になる私たちは、「家に帰って考えてまた電話します〜」という断りの上等文句を言って帰ってきた。

それにしても、スティーブておもしろい。
売り手のエージェントって普通はもっとプッシュするもんだけど、引きとめもなーんにもしないの。ほんとにエージェント?
でもお陰で私たちは心行くまで家の中を探索できた。

家に帰って1時間ほどしてネットにアクセルすると、スティーブからメールがきていた。そういえば帰り際にスティーブは予算内で、この近所の4ベッドルームの家をリストアップしてメールするって言ってたっけ?

リストを見てみると、独自でハウスハンティングを続けていたジョナサンのお眼鏡にかなっていたもうひとつの家がある。 前は外の窓ガラスから家の中をのぞいただけだったんだけど、全部リモデリングされててきれいな感じだった。 値段も予算内だし。。。

ということで(笑)、その日のうちにスティーブに連絡をとって次の日の夕方見せてもらうことにした。

次の日の夕方。
待ち合わせをして家の中に入ると、家のオーナーも待っていた。

肝心の家は。。。
あんまり好きじゃなかった。 
リモデリングされてきれいなんだけど、ナチュラルカラーのカーペット、ナチュラルカラーの壁、ありきたりのキッチンとなんだかふつ〜な感じ。
私はもっと個性的で温かみのある家がいいのよねー。(まぁ、こういう色は後からどうにでもなるんだけど、要するにピンとこなかった)

帰り際、家を見せてくれたオーナーに「時間をとってくれてどうもありがとう。何か質問があったら連絡するから」と言うと、「いや、僕から連絡するから」とあわてていうスティーブ。

????
スティーブは売り手のエージェントなんじゃなかったっけ??
今の口ぶりは私たち側のエージェントのようじゃない?

家に帰る途中、さっそくジョナサンに私が疑問に思ったことを言うと、彼も同じように思ってたみたい。
なんかいつの間にか私たちのエージェントになってたみたいだけど、困るよねー。うちは銀行がアサインしてくれたエージェントを使って、1%のキャッシュバックもらうんだもの。。。

その夜ネットにつなぐと『ハイ! 今日の家はあまり気に入らなくて残念だったね。でもまだまだ物件はあるし。。。』というメールがスティーブからきていた。
いよいよやばい〜。

次の日オフィスにジョナサンから電話がかかってきた。
スティーブに、自分達はローンを組む銀行のアサインするエージェントを使うと1%のキャッシュバックをもらえるというオファーを受けているから、そうするつもりであるってスティーブに言ったらしい。
そうしたら、「そんなことでエージェントを決定するんだったら、自分も1%キャッシュバックしてあげるよ」とあっさり言われたんだって。
「スティーブっておもしろいし、いいやつだよねー」と彼。 「そうだねー。スティーブみたいなエージェントらしからぬ、エージェントだったら楽チンだなーと思うよー」と私。

というわけで、私たちにもエージェントがついた!

あとは家を探すだけ!!


4/19/03






Steve。私の身体がよじれてるのは彼がくすぐってるから。


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